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八木むつみさん
特定非営利活動法人五環生活
やぎ・むつみ/大学卒業後、大阪の民間企業に勤めたのち、身体を使った五感+環境+暮らしをコンセプトとしたライフスタイルを提案し、後世につなげたい暮らしの作法を社会に定着させることを目的としたNPO五環生活に勤務する。五環カフェ事業や管理部門に所属し、主に『まっくらカフェ』の企画・運営、五環生活全体の広報、団体の組織基盤強化事業を担当している。
- 取材日
- 2011年4月7日
update: 11-12-06
人の生活やライフスタイルの変化を実感
どのようなお考えで就職されたのですか?
広告サークルの活動を通して魅力的な社会人の方がたとお会いし、親が教員だった影響もあって、大阪にある教材の制作、販売、教育支援を行う企業に就職しました。そこでは学校のコンピュータルーム用にソフトを売ったり、先生の授業のサポートなどをしていました。
いつか地元に戻りたいと考えていたときに、今の職場である五環生活のことが紹介されている雑誌の記事を見つけたのです。「地元でこんな面白そうなことをしている団体があったんだ」と思い、求人に応募しました。面接では、大学時代から、広告サークルでイベントの企画や運営、コンピュータのデザインソフトを駆使してフリーペーパーを作ってきたこと、社会人経験で培ったビジネスマナーなどをアピールして、採用されました。
今の仕事のやりがいは何ですか?
たとえば『まっくらカフェ』で、参加者の方からのアンケートや雑談のなかで、視覚に頼らず五感を使って食事をしてみて「これまで、食事をおろそかにしていた。ちゃんと食事をとろうと思う」という気づきや「TVを消して食事をするようにします」「子どもといっしょにやってみます」といった声を聞けたとき、参加者の生活やライフスタイルの変化を実感できたときはうれしいです。
赤カブや赤コンニャクなど、今までに知らなかった地元の食べもの、その魅力を知り、参加者の方がたといっしょに学べることも楽しいですね。
また、自転車タクシー事業がだんだんと知られるようになって、地域のお年寄りが病院に通うとき、買い物に行くときなど、単なる移動の手段でなく、ドライバーとの会話も楽しみながら利用してもらえるようになっています。もっと日常の足として地域に溶け込んでいってほしい。
では、どんなことが課題だと感じていますか?
2010年に民間の助成金を受けて、組織の基盤整備をおこなったのですが、そのときに立てた中期行動計画や収支計画を、計画通りに進めていくことがとても難しい。
NPOでも事業費とスタッフの給料は収入をあげなくてはいけない。それを実現するための中期行動計画・収支計画を随時見直す、スタッフが経営的視点を持つというところが重要だと思います。
きちんと収益をあげて、スタッフみんなが笑顔で働けるような職場をつくりたい。また、より多くの人にボランティアとしてかかわってもらえるような場にしたいと考えています。